「ミノキシジルを使い始めたけど抜け毛が全然止まらない」
「なんだか以前よりも抜け毛が増えた気がする」
「もしかしたらミノキシジルは自分の肌に合っていないのかも」

このような悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか?

この記事では、AGA治療薬として使用されているミノキシジルの効果や副作用をご紹介するとともに、抜け毛が止まらない原因についても詳しく解説いたします。

AGA治療のためにミノキシジルを使っている方や、これからミノキシジルを使ってみようか検討中という方はぜひ参考にしてみてください。

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ミノキシジルによるAGA治療

ミノキシジルの錠剤が入ったボトル

日本で唯一、発毛効果が認められた成分、それがミノキシジルです。

AGAに悩む方は必ずと言っていいほど耳にしたことがあるかと思いますが、具体的にどういった仕組みでどのような効果があるのか、そして副作用のリスクについては正しく理解できているでしょうか?

そこでまずは、ミノキシジルを使ったAGA治療について詳しく見ていきましょう。

ミノキシジルの歴史

実は、ミノキシジルは初めからAGA治療薬として開発されたわけではありません。

もともとは高血圧症治療のための降圧剤(血圧を下げる薬)として、1960年代にアメリカのアップジョン社(現ファイザー社)によって開発されました。

その後、臨床試験を行う中で体のあらゆる部分の体毛が濃くなる多毛症の副作用が発現したことから、発毛剤としての研究・開発が進められます。

そして、1980年代にアップジョン社(現ファイザー社)からミノキシジルを2%含んだ外用薬「Rogaine(ロゲイン)」が発売されました。

これが世界で初めて認可されたAGA治療薬で、ミノキシジルは現在、世界90か国以上で承認・使用されている発毛剤の有効成分です。

ミノキシジルの発毛の仕組み

ミノキシジルには血管の拡張作用があるため、頭皮の血行を改善する効果があります。

頭皮の血行が良くなれば、髪の毛に必要な栄養素が十分に行き届くようになるため、発毛・育毛に繋がるというわけです。

また、ミノキシジルは毛包に直接作用し、髪の毛の製造工場である毛母細胞の分裂を促すことで、新たな髪の毛の生育をサポートします。

発毛効果だけでなく、乱れてしまったヘアサイクルを改善して、細く柔らかくなった髪の毛を太く健康的な状態に育てる育毛効果も期待されています。

ミノキシジルには内服薬と外用薬がある

ミノキシジルはあくまでも発毛効果があるとされる成分の名称であり、それ自体が薬の名前というわけではありません。

また、ミノキシジルを含んだ薬には内服薬外用薬があり、それぞれ違った特徴を持っているため、以下の表に両者の情報をまとめました。

内服薬 外用薬
名称 ミノキシジルタブレット(通称ミノタブ) スカルプD、リアップ、ロゲインなど
効果 血管拡張作用による血行促進、毛母細胞の活性化 ヘアサイクルを改善し髪の毛の成長をサポート
効力 外用薬よりも高い効果が期待できる 内服薬に比べると効果は低い
副作用 動悸、息切れ、頭痛、肝機能障害、心疾患など かゆみ、かぶれ、フケなど
リスク 副作用の発生リスクは高い 副作用の発生リスクは低い
入手方法 医師による処方 薬局やドラッグストアで購入可能
承認 未承認 国内承認薬

ミノキシジル内服薬と外用薬の違いは上記の通りで、最も注目すべき点は厚生労働省の認可を受けているかいないかという点ではないでしょうか。

実は、日本国内でミノキシジルが承認されているのは外用薬の場合のみで、内服薬については現在も承認には至っておりません。

血管を拡張して血行を促進する働きがあるミノキシジル内服薬ですが、その分心臓に負担がかかって重篤な副作用を引き起こすリスクを伴うため、AGA治療薬としての使用は推奨されておらず未承認薬となっているのです。

ミノキシジルを使っていても効果を感じないという方、副作用についてもっと知りたいという方は、下記の記事もぜひ参考にしてみてください!

ミノキシジルが効かない原因とは?効果が出ない時の対処法もご紹介!
ミノキシジルの内服は危険?効果や副作用にはどんなものがある?

抜け毛が止まらない主な原因①初期脱毛

抜け毛とヘアブラシ

ここからは、ミノキシジルを使っているのに抜け毛が止まらない原因をご紹介します。

まずはじめに考えられる抜け毛の原因は、初期脱毛です。

初期脱毛の仕組み

先ほどもお伝えしたように、ミノキシジルにはヘアサイクルを改善する効果があります。

ヘアサイクルとは毛周期とも呼ばれ、髪の毛が生えて細くなったら抜け落ち、また新しい髪の毛が再び生えてくる周期のことです。

ヘアサイクルは、「成長期」「退行期」「休止期」という3つの段階を一つのサイクルとして繰り返しています。

成長期…毛母細胞の分裂が活発な期間。平均で男性は3~5年、女性は4~6年つづく。
退行期…細胞分裂が緩やかに止まっていく期間。数週間~数か月間つづく。
休止期…細胞分裂が完全にストップしている期間。数か月間つづく。

成長期の期間が何らかの原因で短くなってしまったり、休止期の髪の毛の割合が増えてしまうと、薄毛・抜け毛に繋がってしまいます。

ミノキシジルの効果でこれらの乱れたヘアサイクルを正常な状態に戻すことによって、薄毛・抜け毛の改善が期待できるのですが、その過程で起こることがあるのが初期脱毛です。

細く短くなった休止期の髪の毛を、成長期に移行した髪の毛が押し出して生えてくるため、髪の毛が一気に抜け落ちることがあり、この現象を初期脱毛と呼んでいます。

初期脱毛が起こる期間

初期脱毛が起こり始める目安の期間としては、ミノキシジルを使い始めてから約2週間~1ヶ月だと言われています。

もちろん、体質などによって個人差がありますし、中には初期脱毛自体が起こらない場合もあります。

初期脱毛が起こらないからといって、ミノキシジルが一切効いていないというわけではありませんので、すぐに使用を中止する前にしばらく様子を見てみましょう。

初期脱毛が起こり始めた場合、大体1~2か月程度続くことが多いです。

こちらも人によって期間はさまざまですが、もしも抜け毛があまりにも長期間続くようであれば、すぐにミノキシジルを処方してもらった病院・クリニックに相談してください。

内服薬と外用薬の違い

ミノキシジルの使用によって起こりうる初期脱毛ですが、内服薬と外用薬ではその症状にどのような違いがあるのでしょうか?

一般的に、内服薬の方が初期脱毛の症状が強く表れる傾向にあります。

どちらにおいても、毛母細胞を活性化しヘアサイクルを改善するという効果に違いはありませんが、体の内側からアプローチする内服薬の方が高い効果を期待できるため、その分初期脱毛も強く表れるというわけです。

高い効果が期待できるということは副作用のリスクも高いということなので、使用にあたっては慎重に検討するようにしましょう。

ただそこまで大きな違いがあるわけではないので、もしも抜け毛が止まらない場合には抜け落ちた髪の毛の状態を確認して経過を観察してください。

初期脱毛による抜け毛であれば、抜け落ちた髪の毛は細く短くなっているはずなので、その辺りを注意深く確認しましょう。

抜け毛が酷い時の対処法

初期脱毛は太く健康的な髪の毛が生えてくるための重要なステップですが、あまりに抜け毛が多いと周囲の視線も気に合ってしまいますよね。

そんな時には、帽子やウィッグを被ることで対策してみましょう。

男性の方はウィッグに抵抗感がある方が多いと思いますので、気軽に試せるキャップやニット帽などを被ってみませんか?

その他にも、初期脱毛を目立たなくするために髪型自体を変えてみるのもおすすめです。

帽子を被ったり髪型を変えることはイメチェンにもなり、新たな自分への期待感がどんどん高まっていくはずです。

会社の同僚や親しい友人に対しては、いっそのこと治療中であるとカミングアウトしてみてはいかがでしょうか?

一人で抱え込みすぎるとかえって周りが気を遣ってしまい、余計に薄毛であることが強調されてしまいかねないので、身近な信頼できる人には相談してみるのも良いかもしれません。

ミノキシジルの効果を実感できるのはいつから?効果ないと感じる原因は?

抜け毛が止まらない主な原因②AGA以外の病気

聴診器と赤いハートマーク

次に抜け毛が止まらない原因として考えられるのが、AGA以外の病気を発症している可能性があるということです。

ミノキシジルはあくまでAGAの治療に効果があるとされる成分なので、それ以外の病気によって脱毛症状が生じているのであれば、抜け毛が止まらないのも無理はありません。

では、AGA以外の脱毛症状が見られる病気をいくつかご紹介します。

円形脱毛症

症状 円形や楕円形に髪の毛が抜け落ちる。痛みはなく突然一気に抜けることもある。
原因 免疫機能の異常・ストレス・アトピーなど
治療法 ステロイド外用薬・抗ヒスタミン内服薬・局所免疫療法など

円形脱毛症は、その名の通り円形または楕円形に脱毛斑ができる病気です。

詳しい原因は未だにはっきりとしていませんが、免疫機能の異常により発生する自己免疫疾患が主な原因と考えられています。

また、円形脱毛症患者の40%以上がアトピー素因を持っていると言われていますが、直接的な関連性は明らかになっていません。

アトピー素因とは、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、気管支炎などのアレルギー性疾患を起こしやすい体質のことです。

髪の毛が頭頂部や前頭部などから徐々に薄くなっていくAGAとは症状が大きく異なるのですぐに分かるとは思いますが、自分では確認しづらい箇所に脱毛が生じた場合はなかなか見つけることができません。

抜け毛が止まらない原因が、自分では見えない部分に生じた円形脱毛症であるということも考えられるため、気になる方は病院・クリニックに相談してみてください。

脂漏性脱毛症

症状 頭皮がベタつく。頭皮にフケ・かゆみ・炎症・ニキビ・湿疹などが現れる。
原因 皮脂の過剰分泌によって起こる脂漏性皮膚炎
治療法 抗真菌薬・ステロイド外用薬など

脂漏性脱毛症は、脂漏性皮膚炎から起こる脱毛症です。

脂漏性皮膚炎とは、皮脂の過剰分泌が原因で頭皮がべたつく病気のことで、頭皮環境が悪化し薄毛・抜け毛を進行させてしまいます。

AGAとは違い頭皮にベタつきが見られるので、抜け毛が止まらず脂漏性脱毛症かどうかが気になる方は頭皮の状態をチェックしてみてください。

皮脂を好むマラセチア菌を退治する抗真菌薬、頭皮の炎症を抑えるステロイド塗り薬などによる治療が効果的ですが、食生活も大きく影響しているため、脂っこい食べ物や外食、コンビニ食はなるべく避けるようにしましょう。

甲状腺疾患による抜け毛

症状 髪の毛が乾燥してパサつく。髪の毛が側頭部辺りから薄くなる。
原因 甲状腺ホルモンの分泌異常
治療法 甲状腺ホルモンを増加または減少させる薬による治療

甲状腺ホルモンの量が不足して甲状腺機能が低下する橋本病、反対に甲状腺ホルモンが過剰に作られて全身にさまざまな症状を引き起こすバセドウ病

これらをはじめとした甲状腺疾患が原因で、抜け毛が増えてしまうことがあります。

AGAとの大きな違いは薄毛が起こる箇所で、AGAでは前頭部や頭頂部から薄毛が進行するのに対し、甲状腺疾患が原因の場合は側頭部が薄くなるのが特徴的です。

抜け毛以外の症状としては、甲状腺ホルモンが不足すると肌のかさつき、無気力、便秘、悪寒などの症状が現れ、甲状腺ホルモンが過剰分泌されるとイライラ、動悸、多汗、眼球の突出といった症状が徐々に現れます。

治療をせずに放置しておくと突然死に繋がる最悪のケースも考えられるため、気になる症状がある場合は早めに受診してください。

抜け毛が止まらない原因は他にも…

抜けていく毛のイメージ

抜け毛が止まらない場合に考えられる主な原因として、「初期脱毛」「AGA以外の病気」の2点を挙げました。

ですが、その他にも疑うべき点はあるので、ここでいくつかご紹介したいと思います。

使用期間が短い

AGA治療薬として用いられるミノキシジルですが、残念ながら即効性があるわけではありません。

そもそもAGAは一生完治しない進行性の病気なので、すぐに効果が出るような薬は存在しないというのが現実です。

また、ミノキシジルの効果が出始めるまでには約4~6か月を要するとされているため、まずは半年ほど使用を継続してみてそれでも抜け毛が止まらない場合には別の治療法を検討してみましょう。

ミノキシジルによって一度ヘアサイクルが改善して発毛効果が見られたからといって、薬を止めるとまたすぐに抜け毛が増えて薄毛が進行する可能性は高いので、ミノキシジルによる治療は長い付き合いになるというの覚悟が必要です。

生活習慣が乱れている

いくらミノキシジルで身体の内側から、または患部から直接毛母細胞に働きかけたとしても、普段の生活習慣が乱れていては十分な効果を発揮しません。

人間の身体はすべて食べたものや飲んだものでできており、髪の毛の主成分であるケラチンはタンパク質の一種なので、良質なタンパク質を豊富に含む食材を食べるように心がけましょう。

髪の毛に良い栄養素や食材については以下の記事で詳しく紹介していますので、そちらも合わせてご覧ください。

抜け毛の予防効果がある食べ物とは?髪の毛に良い栄養を取り入れよう

また、食事だけではなく睡眠も非常に重要です。

睡眠中には成長ホルモンが最も多く分泌されており、成長ホルモンは髪の成長や頭皮の新陳代謝に大きく関わっています。

薄毛と睡眠の関係性について詳しく知りたい方は、ぜひとも以下の記事をご覧ください。

【睡眠と薄毛】発毛育毛を促す2つのポイント

正しく使用していない

当たり前のことかもしれませんが、ミノキシジルを正しく使用できていない人は意外にも多いのです。

内服薬であれば、医師から指示された用法・用量を守り、なるべく毎日同じ時間に服用するようにしましょう。

そうすることで、有効成分が効率よく吸収されてミノキシジルの効果を最大限に発揮させることが期待できるため、用法・用量を守るのは当然として、時間やタイミングにも気を遣ってみてください。

外用薬の場合は商品によっても異なりますが、ほとんどが1日2回、1回1ml程度の使用を推奨しています。

詳しい塗り方などはパッケージに記載されていますので、必ずそちらを守って正しくお使いください。

内服薬も外用薬も、使用前のお酒の服用には注意が必要です。

ミノキシジルと同様にアルコールにも血管拡張作用があるため、両方を一緒に摂取すると血圧が下がりすぎて動悸やめまい、頭痛などを引き起こす可能性があります。

いずれにしても、ミノキシジルは意外と危険な薬であるということを理解しておく必要があるでしょう。

ミノタブ(ミノキシジルタブレット)の使用をやめるとどうなる?副作用が気になる場合は?

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さて、ここまでミノキシジルの効果や発毛の仕組み、さらにはミノキシジルを使っても抜け毛が止まらない原因について探ってまいりました。

薄毛・抜け毛が止まらない原因はコレ!だとはっきりさせることは至難の業なので、さまざまなアプローチを試してみる必要があるでしょう。

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ミノキシジルでも抜け毛が止まらない原因|まとめ

いかがでしたか?

今回は、ミノキシジルによるAGA治療の詳しい解説、そしてミノキシジルを使用しているのに抜け毛が止まらない原因についてご紹介しました。

主な原因としては、「初期脱毛」「AGA以外の病気」が考えられますが、ミノキシジルを使ったからといってすべての人が効果を実感できるというわけではありません。

また、ミノキシジル内服薬は国に認可されていない薬であり副作用のリスクがつきまとうため、ミノキシジルの使用に抵抗があるという方もいるでしょう。

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