2020年4月現在、日本中、世界中がコロナウイルス感染拡大の危機に晒されている今、「ステイホーム」を合言葉として外出を控えて家にいよう!という運動が起こっています。
しかし、ステイホームは下手をするとその過ごし方によっては抜け毛薄毛を進行させてしまう心配もあります。
この記事では薄毛でお悩みの方や発毛育毛の途中の方が、どんな風にステイホームの期間を過ごすべきか?を日頃発毛育毛の現場に立つ発毛技能士の観点から解説して参ります。
ストレスと免疫力の関係
適度ストレス(プレッシャー)は人生を豊かにする上で必要不可欠なものですが、感染予防のステイホームの期間中は先行きのわからない不安などを感じ、過度なストレスを感じる方が多いかと思います。
慢性的に過度な精神面でのストレスを感じると交感神経が緊張し、内分泌系器官に伝達されてコルチコイドというホルモンが分泌されます。
コルチコイドホルモンは一種のステロイドホルモンで、免疫細胞の働きを弱めたり死滅させることがわかっています。このため、ストレスと連動して免疫系も弱ってしまうのです。
ストレスと薄毛の関係
「ストレスでハゲる」や「ストレスで白髪になった」などとよく表現されますが、科学的根拠は無いものの、環境的要因としての薄毛との関係性は無視できない問題です。
頭皮の血行不良
毛根につながっている毛細血管の太さは5ミクロンという細さで、顕微鏡で見なければ見えないほどとてももろくて繊細です。
「ステイホーム」と育毛の両立【睡眠編】でもお伝えした通り、睡眠によってダメージを受けた細胞は修復されますが、毛細血管もまた日中受けたダメージによってちぎれたりしたものが修復されます。
育毛にはこの毛細血管の修復が非常に大切なのですが、あまりにもダメージが大きいと修復が困難になり毛根に栄養がいかなくなって脱毛を進行させてしまいます。
毛細血管にダメージを与えるその最大の要因が過度なストレスによって引き起こされる自律神経の乱れになります。
また、ストレスによる自律神経の乱れが原因という点では同じですが、ストレスは睡眠にも悪影響があるため薄毛を進行させる要因になります。
頭皮環境(お肌)の悪化
髪を元気に維持したり、育毛発毛効果を出すためには頭皮環境を良い状態にする必要があります。
ある大学の研究ではコラーゲンの減少が脱毛の原因になるという発表がありましたが、毛根の細胞分裂が活発に行われるためにはコラーゲンがその土壌となり不可欠です。そしてこのコラーゲン量に関しても頭皮環境の一環です。
実はコラーゲンが不足する原因の一つがストレスになります。
コラーゲンはビタミンⅭが無ければ人間の体内で作りだされないのですが、ストレスに対抗するホルモンもまたビタミンⅭから作られているのです。
つまり過度なストレス状態が長く続けば続くほど、体内のビタミンⅭが消費されてコラーゲンが作り出されなくなるということになります。
頭皮の内面のコラーゲンが少ないサインは頭皮に弾力がなくなることです。
頭皮を指の腹でさわったときにオデコよりも頭皮が固い方はストレスケアをされた方が良いかもしれません。
活性酸素の大量発生が毛根にダメージを与える
俗に毛根と呼ばれる「毛母細胞(もうぼさいぼう)」にとっての大敵は「活性酸素」です。
私たちは大気中に含まれる20%の酸素を吸って生命維持のためのエネルギーにしていますが、ストレスが過剰にかかるとこの酸素がより強力な活性酸素となって健康な細胞までもを攻撃してしまいます。
まさにストレスは万病の元とはこのことで、薄毛、抜け毛だけでなく病気を引き起こす原因となります。
ストレスを和らげる3つの方法
趣味や習い事、飲み会などストレス発散法は人それぞれにお持ちかと思いますが、それが自由にできなくなるのが「ステイホーム」の期間ですね。だからストレスがたまるのかもしれません。
ですが、だからと言ってイライラしながら過ごして抜け毛が増えるのは避けなければいけません。
そんなステイホーム中でも誰でもできるストレスを和らげる方法を3つご紹介します。
深呼吸
深呼吸~!?と馬鹿にしてはいけません。ストレスと深呼吸は大きな関係性があります。
「自律神経」には以下の2つの「モード」がありますが、ストレスがかかっている状態は交感神経が非常に高まった状態になり呼吸が浅くなります。
副交感神経:睡眠や内臓の動きを司る「休息モード」
一方で休息モードの時にハカハカと息をしている人がいない様に、副交感神経が優位でリラックス状態のときは呼吸も深くて穏やかになります。
呼吸は唯一コントロール可能な自律神経ともいわれます。
つまり、意識して深い呼吸を、できれば腹式呼吸を一日に何度も行うことでストレスを和らげることが出来ます。
3秒深くお腹いっぱいに息を吸い、8秒かけて息を吐く「サンパチ呼吸」を行ってみてください。
日光浴
雲一つない快晴の空・・・気分が晴れやかですがすがしくなりますよね♪
これは太陽光に含まれる可視光線(かしこうせん)が頭蓋骨貫通して脳まで届き、幸福ホルモンと呼ばれるセロトニンというホルモンを分泌させているからなのです。
日光浴をすることで体内にビタミンⅮが作りだされます。
ビタミンⅮは免疫機能を調整する役割がある重要な栄養素で、気道にあるウイルス侵入を防止する繊毛上皮細胞(せんもうじょうひさいぼう)を活性化させると言われています。
まさにコロナウイスル対策と育毛に両方美味しい日光浴!お庭や窓越しでもいいので習慣として1日15分から30分ほど毎日取り入れましょう。
布団でサンドバック!?
これは子供向けというか、不真面目というか賛否両論あるでしょうが、布団を丸めて立ててサンドバックだと思って思い切り殴ったり蹴ったりする運動です。
乱暴や狂気ではなく・・・運動です。
色心不二という言葉が仏教にはあります。
身体の運動機能が活発に働けば、一時的でも精神状態は晴れやかになります。
ステイホームの運動不足はストレスに直結しますので、スクワットなども含めてご自宅でできる運動を探してみましょう。
まとめ
今回は「ステイホーム」と育毛の両立【ストレス編】という内容で様々な健康習慣をご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?
このように育毛発毛と健康促進は一体です。上手なストレス対策によって育毛効果と免疫力アップを図りましょう。
新型コロナウイルスで先行きのわからない不安、ストレスを抱えていらっしゃる方も多いと思いますが、健康な体があればまたいずれは元の生活を取り戻せます。
この「ステイホーム」をきっかけに健康と大切な髪を失うことが無いように、今後も有益な情報発信を心がけて参ります。