フィナステリドは「プロペシア錠」などの名称で広く知られ、AGA治療に使用される医薬品です。
ミノキシジルが発毛を促す効果が期待されているのに対して、薄毛予防が期待されているのがフィナステリドですが、フィナステリドを薄毛予防で飲むことはできるのでしょうか。
また、フィナステリドを予防で飲むことによるリスクや副作用はないのでしょうか。
そこで、本記事では、フィナステリドを薄毛予防で飲む場合の効果とリスクを紹介します。
今から薄毛を予防したい方、フィナステリドで薄毛予防を検討している方は、最後までご覧ください。
目次
フィナステリドは薄毛予防で飲んでも効果がある?
フィナステリドを予防で飲む効果には、以下が考えられます。
- ヘアサイクルの乱れを予防できる
- 40回といわれている毛根のヘアサイクルをフル活用できる
- AGAの進行を遅らせられる
フィナステリドは、端的にいうとヘアサイクルの乱れを整えて、脱毛を防ぐ「守り」の薄毛治療薬です。
人間の毛髪はヘアサイクルと呼ばれる、成長期→退行期→休止期のサイクルを繰り返しており、その期間は正常な方で2〜6年と言われています。
このヘアサイクルの中で、もっとも長い期間を占めるのが「成長期」です。
毛髪は成長期に差し掛かると、毛母細胞が活発に分裂を繰り返し、髪の毛を太く、長く成長させます。
一方で、AGAの方の場合、極端にヘアサイクルが短くなっており、数ヶ月から1年でヘアサイクルが繰り返されます。
AGAの方の場合、ヘアサイクルの乱れによって成長期が短縮されることで、髪の毛が十分に成長し切る前に退行期と休止期に移行してしまうのです。
このヘアサイクルの乱れが原因で、髪の毛の成長期が十分に取れず、髪の毛がやせ細ったり脱毛してしまいます。
そればかりか、1つの毛根の寿命である約40回のヘアサイクルを早々に使い切ってしまうので、毛根寿命を早めることにもつながっています。
したがってAGAの改善には、ヘアサイクルを整えることが必須と言えるでしょう。
そこでヘアサイクルの乱れを整えるために使用されるのが、フィナステリドです。
フィナステリドは、酵素「5αリダクターゼ」を抑制し、悪玉男性ホルモン「ジヒドロテストステロン(DHT)」の生成を抑制する効果が期待されています。
DHTは毛乳頭内の男性ホルモン受容体と結合することで毛母細胞の働きを弱め、成長期を短縮させます。
フィナステリドによってDHTの生成自体を抑制することで、毛髪の成長期を本来の期間まで伸ばし、ヘアサイクルを正常に整え、コシのある太い毛にすることが可能です。
AGAは放置するとヘアサイクルの短縮によって、毛根が早く寿命を迎えます。毛根寿命を伸ばし、太くしっかりとした髪の毛を保つためにも、フィナステリドの服用には、薄毛予防効果が期待できると言えるでしょう。
フィナステリドを若いうちから薄毛予防で飲むリスク
フィナステリドを薄毛予防で飲むことに効果が期待できる一方で、まだAGA症状が出ていない方が服用することで、リスクや副作用はないのでしょうか。
フィナステリドを若いうちから薄毛予防で飲むリスクには、以下があります。
- 薬への耐性ができるリスク(低リスク)
- 性欲減退などの副作用が起きるリスク
ここからは、フィナステリドを若いうちから薄毛予防で飲むリスクを紹介します。
薬への耐性ができるリスクは低い
フィナステリドを若いうちから飲むことで、薬への耐性がつくことを懸念している方もいるでしょう。
現状、フィナステリドの長期服用による薬剤耐性例は症例報告がありません。
つまり、耐性については心配しなくていいということです。
若いうちや、AGA初期にフィナステリドを予防で飲むことが原因で、薬の効果に実感が持てなくなった場合には、フィナステリドに対する耐性ができたのではなく、他の要因によることがほとんどです。
例えば、飲酒・喫煙、睡眠不足や栄養不足、ストレスなどが原因の場合、フィナステリドで薄毛予防を行っていても、薄毛の症状が出ることも十分ありえます。
なぜなら、これらの生活習慣の乱れによって、血流が悪化したり、毛母細胞の分裂が阻害されたりといった、別な薄毛の要因が発生するからです。
したがって、フィナステリドの服用で効果が実感できない場合は、他の要因がないか一度検討したり、相談してみるといいでしょう。
スーパースカルプ発毛センターでは、自分ではなかなか気付きにくい生活習慣の乱れなどを詳細に解析し、薄毛の原因を見つけていきます。
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性欲減退などの副作用リスク
一方で、フィナステリドを薄毛予防で服用した場合、性欲減退や精液量の減少などの副作用リスクもゼロではありません。
フィナステリドはDHTという男性ホルモンの一種の産出を抑制するので、男性ホルモンの総量が減るためです。
しかし、男性の性欲はデリケートなので、心理的な要因や生活習慣が原因で性欲減退が起こることもじゅうぶん考えられます。
性欲減退が不安な場合は医師に相談の上、1週間ほど休薬して様子を見てみるという方法もあります。
休薬したにも関わらず性欲が減少している場合は、他の要因がないか検討してみましょう。
ちなみに、プラセボ薬とフィナステリド1㎎の内服による精液の減少量を比較した論文では、プラセボ(偽薬)錠で0.2ml、フィナステリド1㎎で0.3mlの精液の減少が見られましたが、プラセボとの有意な差はないと結論づけられています。
フィナステリドを薄毛予防で飲むのがおすすめな人
薄毛予防としてフィナステリドを飲むのがおすすめな人は、以下の例が挙げられます。
- 家族に薄毛の人がいる人
- 生活習慣が乱れがちな人
- ストレスが多い人
- 20代・30代の人
ここからは、それぞれの例について詳しく解説します。
家族に薄毛の人がいる人
AGAには遺伝が深く関係しているので、家族に薄毛の人がいる方は、AGAを発症しやすいといえます。
家族に薄毛の人がいる場合、毛乳頭細胞内の男性ホルモン受容体の感度と、酵素「5αリダクターゼ」の活性度が高いためです。
フィナステリドはこれらの要因を阻害すると言われているので、家族に薄毛の人がいる方は、薄毛予防としてフィナステリドの服用を検討してもいいでしょう。
生活習慣が乱れがちな人
食生活や睡眠サイクルといった生活習慣が乱れがちな人も、フィナステリドを薄毛予防として飲むといいかもしれません。
食生活の乱れは髪の毛の成長にとって十分な栄養を届けられず、睡眠不足は成長ホルモンの分泌を妨げるからです。
フィナステリドが直接的に生活習慣を整えるわけではありませんが、生活習慣の乱れが原因でヘアサイクルが乱れ、毛母細胞の寿命を縮めるのを防ぎます。
生活習慣が乱れがちな方は、睡眠や栄養などの根本的な生活習慣を見直しながら、フィナステリドの服用も検討してみましょう。
抜け毛予防に効果が期待できる食べ物については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
抜け毛の予防効果がある食べ物とは?髪の毛に良い栄養を取り入れよう
ストレスが多い人
ストレスが多い人も、フィナステリドによる薄毛予防を検討してもいいかもしれません。
長期的なストレスは、交感神経と副交感神経の切り替えを不安定にさせ、自律神経のバランスを崩すからです。
また、交感神経が優位になることで、脳が興奮して睡眠に悪影響を与えるため、成長ホルモンが十分に分泌されず、薄毛に繋がる可能性も考えられます。
根本的なストレスの原因を減らすことを検討するとともに、薄毛予防としてフィナステリドの服用も候補に入れてみてはいかがでしょうか。
20代・30代の人
AGAには男性ホルモンが深く関わっているので、思春期以降では誰にでもAGAを発症する可能性があります。
AGAの発症年代では、40代で32%、50代で44%と、中高年に高めの傾向がありますが、20代・30代でも6~12%の方に薄毛の自覚症状があります。
フィナステリドの服用は、原則20歳以上の方を対象とした治療です。
したがって、薄毛予防の服用も20歳以上とはなりますが、20代・30代から服用を開始することで薄毛予防の効果が見込めます。
服用が早ければ予防効果も大きくなりやすいので、20代・30代の方で薄毛が気になる場合、フィナステリドを予防として飲んでみてもいいかもしれません。
フィナステリドの服用をやめたらどうなる?
フィナステリドの服用をやめた場合、フィナステリドによる薄毛予防効果が薄れる可能性が高いです。
フィナステリドはほとんどが1日1回服用の内服薬で(外用薬も存在はしています)、服用をやめると体内で代謝され、尿によって排出されます。
フィナステリドが完全に体内から排出されるまでに1ヶ月かかると言われていますが、排出以降はフィナステリドの効果がなくなるため、薄毛が進行する可能性が高いです。
また、服用を中止し、薄毛が進行した場合、これまでの治療費や治療期間が水の泡になる可能性もあります。
服用を中止する場合は、これらのリスクをしっかり検討した上で、クリニックに相談するのがおすすめです。独断で服用を中止するのは後悔する可能性があるためおすすめできません。
フィナステリドの服用をやめるタイミングは?
薄毛予防としても服用できるフィナステリドですが、他の薬と同様に、フィナステリドにも副作用があります。
しかし、薄毛への効果を期待して、服用をやめるにやめられないという方もいるのではないでしょうか。
フィナステリドの服用をやめるタイミングの例には、下記があります。
- 初期脱毛期間が長い
- 副作用が重い
- 妊活をスタートする
ここからは、フィナステリドの服用をやめるタイミングを解説します。
初期脱毛期間が長い
フィナステリドは、ヘアサイクルを正常に整える一貫として、一時的に成長期から休止期に移行する髪の毛が増えます。
これを初期脱毛と呼び、一般的には数週間から数ヶ月で脱毛はおさまります。
しかし、中には初期脱毛が一向に止まる気配がない、脱毛量が多すぎるなど、不安に思う方がいらっしゃるでしょう。そんな時は、フィナステリドの服用をやめるタイミングなのかもしれません。
ただし、独断で服用を中断すると脱毛が進行する可能性もあるので、まずは医師に相談することをおすすめします。
フィナステリドの初期脱毛については、こちらの記事で詳しく解説しています。
副作用が重い
フィナステリドには、初期脱毛のほか、肝機能障害・性欲減退・抑うつ・疲労感などの副作用が指摘されています。
肝機能障害を測定するには、定期的な血液検査が必要ですが、明らかな気分の落ち込みや性欲の減退を感じる場合は、フィナステリドの副作用なのかもしれません。早めに医師に相談して、服用の中断を検討してみましょう。
副作用が気になってフィナステリドの中断を検討している方は、実際に服用をやめた方の体験談を読んでみてはいかがでしょうか?
リアルな体験談とともに、フィナステリドをやめた理由とその後の経過がわかるので、やめるか継続するかの判断材料となりますよ。
フィナステリドをやめてよかった理由とは?お客様の声もご紹介!
妊活をスタートする
これから妊活をスタートする方は、フィナステリドの服用を中断することをおすすめします。
フィナステリドで阻害されるDHTは、男子胎児の外性器の形成に影響すると言われているため、妊娠中の女性や子どもが接触することで、胎児・乳幼児の外性器の形成が阻害される可能性があるからです。
フィナステリドの有効成分が精液に移行することはほとんどないと言われていますが、これから妊娠を望む方は、女性が誤って触れてしまわないためにも、フィナステリドの服用を中断し、フィナステリドの保管場所に細心の注意を払うようにしましょう。
フィナステリドと妊活については、こちらの記事で詳しく解説しています。
フィナステリドは妊活中に使用しても大丈夫?副作用・危険性は?
フィナステリド以外の薄毛予防は?
薄毛予防として服用できるフィナステリドですが、金銭的な事情や副作用リスクが気になって、早期服用に踏み切れない方もいるのではないでしょうか。
フィナステリドの服用開始が遅れても、薄毛予防に効果がないということはありませんが、逆を言えばフィナステリドを服用しているから確実に薄毛にならないとも言い切れません。
なぜなら、薄毛にはさまざまな要因や原因があるため、まずは原因を特定してから薄毛にアプローチすることが大切であるためです。
その上、医薬品であるフィナステリドには程度の差はあれど、副作用のリスクがついて回ります。
もし、フィナステリドを薄毛予防として検討しているけれど、なかなか踏み切れない場合は、思い切って医薬品以外の方法を試してみてはいかがでしょうか。
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フィナステリドを薄毛予防で飲む効果とリスク|まとめ
フィナステリドは、早期に服用を開始することで薄毛予防効果が期待できます。
特にAGAは遺伝によるところが大きいので、ご家族に薄毛の人がいる方には特に薄毛予防が期待できます。
しかし、フィナステリドも医薬品なので、副作用がないとは言い切れません。
フィナステリドの副作用には、性欲減退や抑うつ、肝機能障害があるので、副作用が強く出た場合にも服用の中止を検討した方がいいでしょう。
また、フィナステリドが産生を抑制するDHTは胎児の外性器形成に影響するため、妊活を検討している場合は念のため服用を中断し、パートナーの女性やお子さんが触れないように保管場所に気をつけましょう。
フィナステリドを服用できなかった、初期脱毛や抑うつの副作用が気にかかって服用をためらっている方には、フィナステリドに頼らない発毛・育毛方法もあります。
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